点線。破線。 

いちサバイバーの思ったこと、考えてることのキロク。

「LGBTQと性暴力」「レイプクライシス・ポスター展」個人的レポ。その2


まず、何故、私が今回の「LGBTQ×性暴力」講座がすげぇ!と思っているのか?を書きます。

でないと恐らくヘテロセクシャル異性愛者)における性暴力、とか、女性と子供を性暴力から守ろう!の話で充分やん、になりそうなので。

新井晋司さんのHP「性暴力」の目次

http://arai2.web.fc2.com/sa.htm

(リンクフリーにして下さっていますので貼らせていただきました。)

このHPを私自身が見つけたのはもう6年くらい前です。
実際新井晋司さんが1993年~2000年位までにわたって更新してくださっているHPです。
 
以下TOPからの引用です。
太字にしているところは、私個人が目からウロコ状態になった部分です。

私は、性暴力の克服は、21世紀の重要な課題だと考えています。
性的に安全に暮らす権利は、基本的人権のひとつだと私は考えています。
そして、この権利はとても大切なものだと思います。
「わたしと性暴力の関わり」
男性がなんで性暴力問題に取り組んでいるのって思う人は多いと思います。
きっかけは、いろいろありますが、その一つは大学の研究員だったときに、ある教授が起こしたセクハラ事件でした。
その折りに、性暴力ってどんなものかを、学ぶ機会がありました。

最初は、いろんなとまどいや、自分が誤った知識を持っていたことに驚いたりしていましたが、理解が進むに従って、学生らにも話して聴かせるようになりました。

性暴力問題というのは、被害者が女性であることが多いので、「女性問題」と思われていますが、実はそうではありません。
加害者の絶対多数が男性なので、「男性問題」なんです。 

男性もおそれずに性暴力やセクハラについて学ぶと、自分自身にとってのメリット、
たとえばパートナーシップとか自己のセクシャリティのありかたとかも振り返ることができて、たくさん得るものがありますよ。
男性が他人からの押しつけでなく、性暴力やセクハラについて自発的に学ぶようになると、世界の未来は大きくかわってことゆくでしょう。(^_^)

自分が性暴力被害当事者であるということに気づいて、これからどうすりゃいいんだ・・・となってから、たまたまですがLGBTQといわれる人たちと知り合う機会がありました。

知り合ったのは主にゲイの人、数名でしたが、彼らから「ゲイも性被害にあうんよ。」という話を聞きました。
一番多かったのはやはり、同性愛者である、ということに対する家族・周囲からのバッシングでした。
男らしいふるまいをしろ、とか、キモイとか、ほぼ絶縁状態とか。
そして、同じゲイの人から、拒否ってるのに性行為強要されることもあるとか。
「ゲイの人って仲間がいていいなぁ」と、今より更に能天気なふうに考えてた頃だったんで、すごいショックでした。

私は自分の子供の頃の被害や、DVの内容を話しました。DV抜けるか抜けてすぐ、くらいに知り合ったし。
その時に、彼らに「ヘテロ女も大変なんやなぁ」と言われました。

で、お互い、性暴力も恋愛も、性指向・性自認に関わらず『同じよーにいろいろあるんだな。』というところまではなんとなく理解しあえてた気がします。

ヘテロセクシャル性自認が女、に限定した自助グループミーティングや講座に参加するのが、私は怖かったです。
男は敵だ、男は優遇されている、ていうのを聞くのも怖かった。嫌だった。敵なの?!、て思ったし。
自分の性暴力加害者が男であっても、そいつが敵なだけで、他の何もしてない人までも敵認定するのはなんか違う、て思いました。

そうこうしてるうちに私自身がどかーん!と昔の性被害を思い出しちゃって体調崩したり。
そのゲイの友達の中で一番仲良かった子が自死してしまったりで、もう一回、性暴力サバイバーって何なんだろう?みたいなところに来ました。

そういう時にお会いできたのがRC-NETの岡田さんと、宇佐美さん、そして、昨年の関西レインボーパレードで知り合った方達でした。

性暴力について話す講座、を、女性が女性・子供のためにやる、ていうのは他にもたくさんあって。 ====
でもこの社会で生きてるのは女性と子供だけじゃなくてLGBTQIの人もそうだし、もちろんヘテロ男性もだし。

この社会に生きる全員を対象にしてる講座は他にもあるのかもしれません。
ただ、私にとって、今回のRC-NETの岡田さんの講座は、行ける距離・行けるタイミングだったこと。

そしてTwitterで岡田さんが

こう発言してくれたのも、参加する大きな動機になりました。

数年前の新井晋司さんのHPを見てうわー!てなった気持ちと、今回の 「LGBTQと性暴力」講座の内容が、私の中でがちんと噛み合いました。

自分がPTSDと診断された時に、自分にこれから何が症状として出るのかわからない。
そしてなんか出た時に、それを友人や家族にどう説明したら分かってもらえるのか、分からない。
被害の詳細を毎回言わないと、今、自分がパニックを起こしている理由を分かってもらえないのがしんどくて疲れ果てていました。
『生きる勇気と癒す力』で、クリアになっていった事はたくさんあったけれども、PTSDとのこの埋まらない距離は何だろう?

そう思ってた時に、 「LGBTQと性暴力」講座で、レイプトラウマシンドロームの話を聞けました。
そういう『自分が付き合っていくしかない部分』でも、がちん!と私の中で噛み合いました。 

あまりにも嬉しくて、嬉しい、ていうのがなかなか表現できず、自分の中に落とし込むこともできず、うわー!ってなっているまま、ポスター展にも行きまして。
明けて、26日になってから、やっとこさ自分の中に染み込んできて、嬉し泣きしてしまいました。
(私、いつも、自分の感情を発見するのにすごいタイムラグがあるんです・・・)

 もうこの講座は、本当に色んなところで色んな位置にいる人に知って欲しい。
単に知り合った人がやった講座だから、皆に知って欲しいんじゃないです。

性暴力被害にあった当事者も、性暴力って何だろう?の人も、性暴力にあった誰かに何かしたい・したかったけどわからない、の人も。

『性暴力って他人事じゃないんだ』

『人権のお話なのであって、セックスがどーの、痴漢がどーのということじゃなんだ。』

『性暴力を考える、ということは、それぞれの人の生きる権利について考える、ということなんだ』

他にも色々、参加した方の中にあると思いますが、こういうことに気づける講座だったからです。

 

この講座の内容を、1人でもたくさんの人が『当たり前のこと』と思ってくれたら、性暴力被害そのものが減るかもしれない。性暴力サバイバーが生きやすくなるかもしれない。

少なくとも、私は、こういう話をしてくれる人、してくれる場に行けたのは、死なずに生き残ってたからなんだ、と思えました。それもほんとうに嬉しかったのです。


JUST GIVING JAPANにて

「性暴力サバイバーにとって生きやすい社会を」というテーマで公募したポスターの展示&「LGBT×性暴力」講座を地方各所で開催したい!

RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク)さんのチャレンジへの寄付を募っています。
詳細は→http://justgiving.jp/c/9200にて。


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