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当事者周辺のひとたちに知ってもらいたいこと(病気編 その4)


【注意】
この当事者周辺のひとたちに知ってもらいたいこと(病気編)シリーズは、
親=病気になっていない人(サポートの位置に居る人・友達なども含む)
子=精神科領域疾患の当事者 を、前提にして書いていたテキストです。
なので適宜、当てはまる人を入れ替えて読んでくださいね。


よく「あなたのことが心配だから○○してるの」「あなたのために○○してるの」と言う家族が居ます。

でも、患者にしてみればそれは「自分が病気になったせいで家族に迷惑をかけている」という罪悪感に拍車をかけられているだけで、重荷にしかなりません。

自分の家族が何らかの病気になった時、心配するのはもっともなことだと思います。
でも、うつ病の人の中には、「自分が人として(長男として、嫁として、社会人としてetc...)至らないから何事もうまくいかないんだ」と思っています。
真逆に「自分の人生がうまくいかないのは、家族・社会が悪いんだ」の人も居ます。

自分のせいだ、のタイプの人に「あなたが心配で~」をやると、重いです。
ただでさえ自分のことで苦しいのにさらに親の心配や不安まで背負わないといけなくなります。

背負わせているつもりは親になくても、子はそうとらえてしまうから「うつ病」なんです。


周りのせいだ!タイプの人に「あなたが心配で~」をやると、うっとおしいだけです。
頼んでねぇよ!て思います。
実年齢が何歳であっても、反抗期だと思ってください。
怒りや苛立ちを助長させる親が居る、という状態になるので、本当に自分に必要な投薬や診察を拒否しだす人も居ます。
親が行けっていうから行ってやってるだけだ、なので、いつまでたっても自分ごとになりません。
なので、周りが悪い!になる人には、私はもうとことん困ってもらうのも荒療治だけど有効だと思います。
とことん病状のせいで困って、助けを求めてくるのを「待つ」のも「サポートのひとつのかたち」だと思います。

この「本人がどうしたいのか、どうなりたいのかを決めるのを、待つ」というのはすごく大切です。
家族やサポートしたい人にとってはぐっとこらえないといけない苦しい時間になるかもしれません。

でも、まず解決・解消しなければならないのは、『家族の不安』じゃありません。
『病気である本人の不安』が和らぐ・解消する・解決することを探すのが最優先事項です。

その不安や心配の持ち主は、誰なのか?をハッキリさせてください。
サポートする側の不安解消のために、当事者の気持ちや症状、病気を利用しないでください。


病気なのは、当事者です。回復するかどうか決めるのも、当事者です。

周りが出来るのは、当事者が病気のためにできなくなってきた事のフォロー。
回復しようとする当事者の気持ちを見守り、当事者の声を直接、真摯に聞くことです。



子どもがうつ病になって、心配しすぎて親も共倒れになった、というかたち、実はよくあります。


なんで共倒れになるのかというと。
『今、心配してもどうにもならないこと』と、『今、心配するべき現実的・実際的なこと』の区別をつけないまま、当事者の病名と症状に振り回されて、家族までも飲みこまれていくからです。



これから先、就職できるんだろうか? 仕事は続くんだろうか? 一人で生きていけるんだろうか?
そんなのを毎日心配しても、未来のことだし、親にも本人にも誰にもわかりません。
なるようにしかなりません。心配してもどうにもなりません。
(むしろもうちょっと自分の子どもを信用してあげてください、と思います。)
『今、心配してもどうにもならないこと』は、これです。


自分の病気なのに、自分の主治医と直接話をしようとしない当事者。 
当事者なのにその現実から逃避しつづけようとする、当事者。
課題(病気)は、どれだけ棚上げして逃げ回っても、手をつけない限り、課題はずっとついてきます。
夏休みの宿題とは違います。親に代わりにやってもらうわけにいきません。
主人公はあくまでも患者本人です。
自分で取り組むしかないんだ、と、腹をくくってくれるのを待つしかありません。
『今、心配するべき現実的・実際的なこと』は、これです。


病気の症状に振り回されるのは当事者です。だから病気なんです。
当事者を助けたいのなら、共倒れにならないためにも、自分は振り回されないよう、一歩引きましょう。

24時間・365日、心配しても仕方がありません。
むしろ24時間・365日、病気のことを考えて心配するほど、回復しません。
病気一色の環境で、よくなるわけがありません。

また、成人している当事者ならば、必ずしも家族と同居していないといけないわけではありませんから、
病気のこと一色に染まった家にいるより、別居した方が自分でやるしかなくなりますので回復が早かったりもします。

『自分でこれを成し遂げた』という達成感や、やり切ったという感覚は、後々、病状のゆり戻しが来ても、
安定するまでのとっかかりになります。


未来はまちがいなく「自分の力で切り開ける」し、「自分の力で見出せる」ものです。
過去と違って、変える余地がたくさんあるのです。
変えたいか、変えたくないかは、その人次第です。



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