◆RTS(レイプトラウマ症候群)でいう『レイプ』は、日本の強姦罪にあたるものだけを指しているのではなく、あらゆる性的侵害・性暴力被害を指します。
◆災害や事故などと大きく違う点は、『自分自身の身体』が『脅威的で異常な事態の現場そのもの』であることです。
アイデンティティの一部である自分の身体が、暴力の侵入によって、急激で強烈な自己喪失に近い『アイデンティティの危機』を体験することになります。その影響は、身体だけでなく精神・心にも及びます。
◆RTSは ”「脅威的で異常な量のストレス」(abnormal amount of stress)をした人なら誰でも体験する「普通の反応」(Normal response)”です。
”RTSの一般的な段階(Common stages of RTS)”の内容を、
下記のページで分かりやすく書いてくださってましたので和訳してみました。
大きく分けて4段階あります。
Phases of Recovery | Rape Crisis
http://rapecrisis.org.za/information-for-survivors/phases-of-recovery/
※注意※
わたしも母も支援職や専門家ではありません。
あくまでわたしがまとめて残しておきたかったので、母に翻訳協力してもらいました。
専門用語の日本語訳は間違ってるかもしれませんー。
和訳では、原文で「Rape」と書かれている部分を、敢えて「性暴力被害」と書き換えています。
また「survivors」もすべて「サバイバー」と訳しています。
一般的な反応・症状については ↓ で。
【 回復の段階 】
このセクションでは、人が性暴力をうけたことによって起きる、幾つかの過程を見てみましょう。
もしあなたが性暴力被害にあったとして、今から述べるように感じなくてはいけないと言っているのではありません。
私達が言えるのは、性暴力被害にあった女の人達や男の人達の話しを通じて、私達が学んだ事をお話し出来るだけなのです。
どの人も、それぞれに置かれた状況によって、違ったやり方で、そのトラウマに対処しています。
私達が、以下の段階や感じ方を述べる事によって、あなたがたに、強い気持ちを持ってもらえたり、
こんなことが起こりうるかもしれない、と言う事を理解する手助けになればと思っています。
回復するのに要する時間の長さは、あなたの置かれている立場や、あなたにどれだけサポートしてくれる人達が回りにいるかにかかっています。
あなたがネガティブな気持ちでいるのが心配なら、助けてくれる人を探すのが一番良い方法です。
性暴力被害に詳しいカウンセラーや、ソーシャルワーカー、心理学者、病院の看護婦、家族、もしくはあなたが信頼出来る友人など、
あなたを助けてくれる人達がいる事を覚えておくことは重要です。
性暴力被害によるトラウマのある殆どの人が、経過したり、移行していくパターンがあります。
しかし、これらの過程がきちんと順に起こるわけではありません。
また、トラウマに対処しようとする段階の中で、この状態が、前に行ったり後ろに行ったりすることもあります。
1)深刻な時期 (急性期)
性暴力被害にあった直後、殆どのサバイバーは、ショック症状や、狼狽、恐怖、パニックや怒りを感じる。
あるサバイバーは、無感覚や、呆然自失になったり、ほかのサバイバーは、人前での怒りを露わにする。
性暴力被害にあったその直後の数時間、数日、または数週間を経てから反応がみられることもある。
おおよそ被害体験後2週間程度の時期をさすことが多いようである。
これは、危機的状況の第一段階であり、急性期(深刻な時期)と呼ばれるものである。
多くのサバイバーは、性暴力被害について、人に話せない。
悪夢を見たり、ショック症状があったり、罪悪感、恐怖、恥辱、無力感、怒り、落胆、そして身体を触られることに恐怖を感じている。
2)外部(自分以外の人達や社会)との調整時期(表面的な調整期)
この時期は、殆どのサバイバーが、何事もなかったように、普通に生活を続けようとします。
サバイバーがこれから対処していくべき事を再確認するためにも、そうする必要があるのです。
この過程の間、サバイバーは性暴力被害の経験から生き延びるために、自分の能力を見極めているのです。
性暴力被害など全く起こらなかったふりをしたり、考えや感情を感じていないようにしたりして対処することもあるのです。
この段階では、性暴力サバイバーは、普通、カウンセリングの所に行こうとは思えないようです。
サバイバーは深刻な時期(急性期)に感じていたよりも、性暴力被害にあったことをたいした出来事ではない事にしようとする傾向があります。
自分が体験した性暴力被害について、あまり話そうとはしません。
そのため、手助けしたいと思っているサバイバーの周りの人たちは、サバイバーのことを理解するのが難しいに違いありません。
話をしてくれない事で、回りの人たちはイライラしたり、今までと違うふるまいをするサバイバーに、プレッシャーをかけたりすることになるかもしれません。
3)統合期
サバイバーは、この時期にやっと鬱状態になったり、不安を感じたりし始め、人に話をしたがるようになるかもしれません。
再び悪夢を見たり、ショックを感じたり、罪悪感、恐怖、恥辱、無力感、怒り、鬱、また触られることの恐怖を感じるかもしれません。
多くのサバイバー達は、この時期になると、この色々な感情は、深刻な精神疾患であるか、自分は狂ってしまったのだと思ってしまいます。
これがカウンセリングに行く良いチャンスなのです。
なぜなら、そこはサバイバーをサポートし、自分の再確認をさせてもらえる所なのですから。
この時期のあいだは、以前出来ていたよりも、仕事などが出来ないと思うかもしれません。
また、もっと加害者(レイピスト)について考え始めるかもしれません。
4)復活の時期(リニューアル相)
この時期には、性暴力被害によるトラウマの意味を理解し始め、社会に出ても、以前よりは安全だと思い始める事でしょう。
この時期の間には、いろいろな症状は改善されていき、無くなっていくかもしれません。
性暴力被害にあった時の記憶は、以前と同じ印象ではないかもしれません。
人生は良いものだと考え始めるかもしれません。
まだ時には感情的になるかもしれませんが、おしなべて自分自身の人生を、もっと自分でコントロールすることができ、前向きに進めるような
気持ちになっていくことでしょう。
回復には、一つのやり方しかないのではありません。
あなたの回復への旅はユニークなもの(固有の物)なのです。
良いサポート、またサポーターが、人々を性暴力から立ち直らせてくれるのです。
RTSについての参考・参照ウェブサイト
このRTSについての英文をWebで公開してくださっている支援団体
【Rape Crisis】のFBページ。
RAINN (Rape, Abuse & Incest National Network)
アメリカの国立性暴力ホットラインより
アメリカ国防総省 軍隊内等での性暴力ヘルプライン 自殺予防ホットラインも一緒に紹介されています。
個人的にこういった関連性の高い相談先を一緒に掲載・告知するスタイルが当たり前になって欲しいです~。
あとすげえと思ったのはセルフケア情報アプリまである。何それすごい。
赤城高原ホスピタル ホームページより
犯罪被害者等施策|政策統括官(共生社会政策担当) - 内閣府
警察庁犯罪被害者支援室/警察による犯罪被害者支援ホームページ
・・・で。
これらをふまえて「回復のプロセス:ただしわたしの場合」を、このブログかどこかに書いてまとめようかなと思っております。(予定。)