点線。破線。 

いちサバイバーの思ったこと、考えてることのキロク。

精神科の入院・治療体験談 4) つい先日の休憩入院。

まずは、お約束。
このBlogに書いている入院等の記録は、私個人の視点と体験です。
精神科医療に関する各法律もどんどん変わっていってます。
環境も病院それぞれで違ったりしますし、同じ病院でも院内規則の変更はあります
そして、私個人は精神科入院を「怖い」「イヤだ」と思ったことがない人です。
「ダメだこいつ」と思った人はブラウザをそっと閉じてください。


11月下旬から12月上旬まで、普段通院している精神科に入院していました。
理由は、しんどさが限界まで来ていたため、です。

今年は祖母の怪我・認知症の悪化のため、まず祖母の介護施設探しと入所。
そして、わたしにとって唯一『自分が生まれてきたことを肯定してくれるモノ』であった、祖母宅の明け渡しが重なりました。

18歳くらいの時から、いつかこの日が来ることは分かっていました。
でもやはり、わたしの原点と言えるほど意味のある『家』が、二度と足を踏み入れることができなくなるというのは、理屈でわかっていても、感情がついてきませんでした。

しかも手放さねばならない原因を作ったのは、主にわたしの父と叔父の2人であって、わたしや母、祖母のせいじゃない。

わたしが生まれた時には既にそこにあった家が、どんどん死にゆく様が、ものすごく辛い。
母と幾度と無く話をして、仕方が無いのだと自分に言い聞かせ続けたんですが、ダメで。

まだ家屋そのものの取り壊しはされておらず、荒れるままになっているため、実感がぜんぜん無いのです。
そのうち解離症状がぼんやりと、ではなく、記憶が抜け落ちる長さで起きるようになったため、一旦日常から切り離されたところに行こうと考えて、入院しました。

今回はなんとか病床に空きがあったんで開放病棟での任意入院でした。


今年4月1日から精神保健福祉法の改定・施行がありまして。それに伴って、なんかめっちゃいろいろ変わってた。

まず「精神科の長期入院を減らそう」な動きが強くなりました。これは患者の高齢化に伴うものでもあるようです。

参考:NHK クローズアップ現代この記事の後半に出てくるのですが、退院のための支援の取り組みがはじまっています。

上記の 退院のための支援~安心して地域生活をスタートさせよう~ を見てね。

地域移行支援、地域定着支援、退院促進支援事業といろいろあるよ!




今回、入院時にhttp://totheray.blog.jp/archives/52109248.htmlのエントリで書いたものを自作して持っていきました。せっかく書いたし。
説明する気力なくて、主治医に「これ。」て渡したら、「あ。あなたの取り扱い説明書ね。了解。」て言われました。
あっ!取扱説明書!!! それです。ハイ。
なので、入院時の看護師との面談(荷物チェックや院内規則の説明。自覚してる症状などの聞き取り。)がすごい早く終わった気がする~。

そして退院支援の一環として、早々に担当ソーシャルワーカーがつきました
昔は言わないと会えなかったのに!

さらに。症状が落ち着いてきている人たちの処方薬の自己管理指導がはじまっていました!
すげーーーーーー。厚生労働省のお達しの威力って、すげぇな。

院内の薬剤師さんが個別面談して、処方薬についての疑問に答えてくれたり、効能について説明してくれます。
今までぜんぜんそんなの無かった! 

なので、思わず「とうとう自己管理はじまったんですね!」て薬剤師さんに言ってしまった。
別に質問したい事柄がなくってどうしよう、と思って。

薬剤師だからこそ知ってる系を教えてくださいな~とリクエストしたらCP値のお話を教えてくれました。
(もう知ってるよ!て方も居ると思います。わたしは初耳だったからうおー!て思った。)

処方されているお薬にはクロルプロマジン換算値(CP値)といわれるものがあるんだそうです。
んで、処方されている1日分あたりのお薬のCP値合計で、薬の量が適正な量であるかどうか、おおよその目安を知るための計算をすることができるんだそうです。


「あなたのね、お薬のCP値ね。38です。」
「え。それっていいことなんですか?」
「300とか500とか。それくらいが一般的ですかねぇ。ほんとうに少ないですね~。」
(わたしの心の声:「どうしよう。昔、バカスカ薬が要ると思いこんでたときのCP値、聞くの怖い。」)

ということで、帰ってきてからCP値とやらをさっそく検索してみた。

こんなかんじ。⇒ コンボのCP値換算(クロルプロマジンの力価に換算)|精神科の薬を知ろう
えええー!? こんなんあったんや! しらなんだ。
うっすら記憶にある方々だけで1000mg超えてたよ・・・。
あの頃はほんとうに今より症状がトンデモナイ感じでしたんで、納得。



さらに、開放病棟の処遇についても、個別対応が進んでいるように思いました。

しょっぱなの一週間くらいは、開放病棟でも閉鎖処遇になるかと思います。どういう状態の患者なのかを看護師たちが把握するため、です。
ちゃんと事前に医師と書面で同意書かわします。任意入院だもん。

で、それが過ぎたら、院内の単独外出OKに。売店とか病院の敷地内ならお好きにうろうろしてください、になります。
(いつもしょっぱなの閉鎖処遇がつらい・・・エアコンが苦手なので、すごく息苦しい。)

あと病棟も院内のありとあらゆるものを新しく建て直しした病院なのもあって、キレイなのはキレイ。
昔はその病院にはあった鉄格子が、今はありません。保護室もなんかのホラー映画に出てきそうな雰囲気じゃなくなりました。

単にマジで古い病院だったからなんですけどね。
コンクリートむき出しの壁にベッドとポータブルトイレ置いてあるだけ。私物持込禁止。
びっくりするぐらい『心休まらない感』。あれはアカンやろ、さすがにもう。



この病院は精神科オンリーなんで、たとえば入院中に他の科の治療(歯科・外科など)が必要な人で、医師からOK出たら「単独外出可」になります。

でもこの単独外出可までの道のりがかなりゆるくなってきてるように思いました。

院内でうろうろ出来る範囲が、建て替え後、めっちゃ狭くなったのもあるかも。
それに、バス停1,2つ先に出ると、ディスカウントストアや大きいスーパーがある所なので、ふつーにお買い物に出てる方も。
家族さんが面会に来たから、お昼ご飯食べにいってたーとかもアリ。
 

病棟数がそれなりにたくさんある病院なので、開放病棟の一部を「社会復帰支援病棟」にしよう、という動きのようです。
(看護師さんが言っていた~。是非そうしてくださいおねがいします。)


1ヶ月くらい入院だったら参加してたかもしれないのは、作業療法(通称OT)。
OTが充実してるところって、いいよね。
普段、家では絶対できないよーな陶芸とかそういうのできるもん。

過去に入院したことがある病院で、革細工の小物作りをやってくれるところがありました。おもしろかったー!
病院によっては退院後、デイケアとして通うこともできますよー。


今回の休憩入院でとにかくきちんと泣きたいんだよ!と思っていたので、『永遠の仔』を持っていってました。

一人暮らしの身には「ご飯が三食、用意しなくても出てくる」だけでミラクル。
他の患者さんに「メシまずいしいややー」て言われたんだけど、勝手に出てくるだけでわたしは超ありがたいよ!

そして、昔はよく他の患者さんの状態に影響うけてすごい凹んだりとかあったんですが、今回はだいじょーぶでした。

むしろ看護師さんの言動がしんどかった・・・orz モウヤメテ。

精神科ってある意味、看護師さんのもつ雰囲気とかちょっとした対応のタイミングのズレが、モロにダメージになりうるのです~。



精神科認定看護師という制度があるのを発見。一般社団法人 日本精神科看護協会 JPNA Japanese Psychiatric Nurses Association

看護師さんの『イライラした様子』とか『まともに話を聞いてない雰囲気』等が患者にモロに影響してしまう病なだけに、もうちょっとなんとかならんかね?なことが結構ありました。

看護師さんも大変でしょうけども、早期退院・社会復帰病棟を目指すなら、やっぱり傾聴の余力は要ると思うの(´・ω・`)


とりあえず。
主治医に「あんたは当面自分のことだけ黙々とやりなはれ。」と言い切られたので。

年明けの診察までには多少マシになっていることを期待しよう。

おまけ
精神科の入院や診察などに関する相談・苦情など。

*医療安全支援センター
www.anzen-shien.jp

www.anzen-shien.jp



*精神科医療情報総合サイト e-らぽ~る
精神科医療制度・法律について詳しいサイトです。図解もあります。
pdfファイルが多いのでPCでの閲覧推奨です。

https://www.e-rapport.jp/index.html

e-らぽ〜る|精神科医療制度・法律 インデックス