点線。破線。 

いちサバイバーの思ったこと、考えてることのキロク。

PTSDの症状ってどんなの?を、私見で書いてみる。

Wiki先生の説明がアバウトなことだらけなので。

 Es DiscoveryさんのHPの方がすっごいわかりやすいんで参考まで。
 
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害) 

もともとは、『心的外傷と回復』のジュディス・L・ハーマン先生によると、アメリカのベトナム戦争帰還兵にみられた不安や恐怖、睡眠障害、幻覚様症状、フラッシュバックといった精神症状の苦痛を訴える人が大勢現れたので、これは何じゃろ?となって研究がはじまって、こういう病気・症状が実際にあるんだな、になったものです。(結局アバウトやんけ。)

ベトナム戦争が「宣戦布告なき戦争」だったことで、米軍兵の中で「これ、マジで俺らって正義のための戦争やってんの?」ていう
疑問とか多々戦地でも、帰還してからもあったんじゃないかなぁと個人的な感想です。

参考図書は↓  PTSDの歴史とか精神科ジャンルでどういう扱いにしてきたのかとか、そういう学術的な内容を知りたいかたはどうぞ。

心的外傷と回復 〈増補版〉
心的外傷と回復 〈増補版〉 [単行本]
 
で。ここらへんから、
地震・火事・交通事故などの事故・災害場面』『殺傷など残酷な場面の目撃』『児童虐待』『暴行・レイプといった犯罪場面』『戦争やテロの体験』などの非日常的な体験が身体共に深く刻み込まれた傷(トラウマ)の後遺症=PTSD という感じで今は捉えられてる感じかなと思います。

実際に、後遺症としてどういうことが出てくるのかは、人によって本当にまちまちなのですが。

PTSD特有の症状のひとつは、フラッシュバックだと思います。

いろんな場面で結構、トラウマ、も、フラッシュバック、も使われているので、珍しい単語ではないと思いますが。


自分がPTSD,しかも、性暴力やらいじめやら自死やらいろんな要素がトラウマになっているので複雑性PTSDって言われておりますが、
これと共に生きることになってきた私の自覚できてる症状は以下。

・何らかのトラウマにになった体験をした現場に立ち寄れない。
 
 遊びに行くとかそこに行かないと仕事にならないとか、理屈でわかってても、かなり覚悟しないと、行けません。
 体調も精神的にも、やばくなったら自力で何とかできそうかも、ていう状態でないと、ふらっと立ち寄ることも怖いです。
 酷い時は地名もアウトだし、バラエティ番組とかで『日本各地の美味しいもの特集』的なのをやってるのを見ただけでも、
 アカン時はほんまにダメです。

・トラウマになった体験を、自発的にではなく、誘発的に思い起こさせられてしまうものが、現在の日常生活の中に多数ある。
 五感で感じる色々なことと、トラウマを引き起こす要因(トリガーと呼ばれます)が、突然直結してしまい、
 今、まさにその場にいて、その場で体験をしている感覚に引き戻されます。 
 これがPTSDで言う『フラッシュバック』です。
 
 TVもそうですが。
 上に書いたのも含め、私は「匂い」とか、「光の影のコントラスト」とか、「音」でどうも記憶してしまっているようです。
 一時期、自分でも驚きましたが、車のエンジン音を聞き分けられた時がありました。
 加害者が使っていた車のエンジン音にかなり近いもの、が突如、道を歩いている時に聞こえてしまうと、
 ダッシュで逃げてました。
 逃げられない時は、もう人の目に触れないところで固まってます。

 そんくらい怖いし、 そんくらい「あの当時」と同じ『リアル現場』に戻ってしまいます。
 今は違う、と理屈ではわかっていても、気持ちと体が、先に危険を感じてしまうので、「今はもう大丈夫なんだ」っていうのを
 自分自身に納得させるのも、ものすごい疲れます。
 自分に今は安全である、と、納得させるための手段を自分で見つける、というのは多分、まだこれからも続くと思います。
 (いくつか見つけられたものは活用中。)

・ どんな薬も効かない時がある。
 
 私は早々に精神科に行くのを選択しちゃった人ですが、もうほんとに薬、効かない時は効きません!
 所詮、薬は対処療法の1つであって、万能じゃござんせん。

 昔は量が少ないから効かないんだと思ってましたが、実はそうじゃなかったーーーー。
 一番早くに出た症状は不眠症とか動悸・過呼吸といったパニック障害の症状でした。
 
 ナポレオンもビックリの睡眠時間の短さでした、ハイ。
 2時間くらい眠剤で無理矢理眠って、すぐ起きて。 
 追加の頓用眠剤飲んで、眠れないー眠れないーでイライラしてましたが。
 
 眠れないもんはもう眠れないので。
 眠れない間にバイトしちゃえ、て早朝バイトをはじめたら、体が勝手に疲れるので寝れるようになった時は、唖然としました。
 要らんやん・・・追加眠剤・・・。で、早々に追加眠剤、カット。
 
 DVとか虐待とかね。四六時中、気を許せない環境で生活してきていたら、ぐっすり眠ってたら何が起こるかわからない。
 なので、いつでも何があっても対処できるような態勢でいなければ!と、無意識化で思い込んでいるのです。
 そら眠れませんわ。
 
 バイトがキツイ、ていう時は、散歩したり、ひたすら小説読んだりしてました。
 関係ないけど、夜中に散歩するときは、白っぽい服を着ようね!
 黒っぽい服きてると、いきなりヘッドライトの範囲に人が立っているという事態になって新聞配達の人がビックリするからね!


・眠れない⇒睡眠薬増やす⇒やっぱ寝れない⇒酒と一緒に飲む は、マジでヤバイ。
 この流れ、結構体験者がいると見た。 
 自らアルコール依存まっしぐら+脳細胞ぶっ壊し作戦をとってるだけなのでやめましょう・・・。
 
 抗鬱剤やら抗不安剤も同じくです。
 余計に集中力なくなって、健忘激しくなります。
 
 更に、ただでさえ投薬治療には限界があるのに、自分から限界への道を短くしていっているだけになります。
 下手すると、効きすぎて寝返りさえ打たずに昏々と眠ってしまい、体重かかってた側の腕と足が麻痺で動かなくなった
 ケースを知ってます・・・。壊死状態になっちゃったんだそうです。
 肝臓もボロボロになりますので、お金も薬も勿体ないのでやめた方がいいですよっ。

 眠れない状態、で、ある意味、当たり前なのですよ。
 だって安心する、という環境や精神状態から長らく遠ざかって生きてきたのです。
 安心って何ぞ?な体と心で、安眠するほうが難しいよね。


・ 精神科領域だけでなく、内科・消化器科などの疾患も併発する。
 
 PTSDって、とにかくどんな症状が出てもおかしくない「大親分」みたいなシロモノです。
 摂食障害がでれば、吐きすぎて歯が溶けたりもします。食えなくてやせ細って抵抗力無くなって病気したり、骨折したりもします。
 過食で糖尿病になる人も居ます。
 鬱病が大きく出れば、死にたくもなります。
 自罰的な思考回路から抜けていなければ、自傷行為だって増えます。
 
 今、私自身が困ってるのは胃が弱い体質であるために胃酸過多になること。胃潰瘍もやったし余計。
 それと、声がちゃんと出ない症状があること。文字が模様にしか見えなくなる時があること。
 突然電池が切れたようになって、気づいたら廊下とか床で寝落ちしてること。
 夢の内容を覚えてないのに、寝ている時に全身に力が入っていて、体の強張りがとれない+頭痛で吐き気がすること。


 PTSDもASD(急性ストレス障害)も、どっちも
「思いもよらない時に、思いもよらない形で安心などと無縁な出来事・体験をしたための後遺症」です。
で、一応、病気です。障害にもなります。

ただ、PTSDとつきあってくしかないんだ、と、腹をくくった時から、PTSDのおかげでわかったこともあります。

全部が全部、自分ではコントロールのきかないもの、の、ままではないのです。
どないしてもこれだけは、今のところどうにもならん!ていうのはどうしてもありますけれど。

でも、今はこれに関してはこういう対処法をとると、ちょっと昔よりフラッシュバックでパニック起こしたとしても、
落ち着くまでの時間が短くなったなーとかも、やっぱりあります。

対処法を探しているうちに、「ああ、私はこれはダメ、とか、こうしなければならない、と自分から思い込んで、苦しいままで居たんだなぁ。」と気づくことも、たくさんあります。

そういう意味では一概に「全くもってどうにもならない障害」とは言い切れないのかもしれないと、今の私はそう考えています。