点線。破線。 

いちサバイバーの思ったこと、考えてることのキロク。

【「どうせ自分は治らない」から離れよう】


人間はかなりストレスのある環境でもそれなりに適応してしまいます。

あんまり良い例ではないですが、日常的に親が暴力をふるう家に育つと、その子供は「ああ、またか。」と思うようになり、それが『当たり前』のことになっていきます。

DV被害者もそうですね。
加害者からの暴力に怯える日々が当たり前になって、慣れてしまうと、いくら周りが「おかしいよ。」と指摘しても、気付かなかったりする時期があります。

それが「自分が生き延びるための手段のひとつ」だと、本能で分かっているからです。


患者は、病気になることによって、自分の心のバランスを保っています。
傷ついている、恐怖を感じている。
それを言葉ではなく『病気』という形で吐き出して、なんとか自分を保っている。

そして、「治る」というのは、その「バランス」を崩すことにほかなりません。

どんなに不健康なバランスであっても、そのバランスを一度崩して変化させていくことには覚悟も必要ですし、時間もかかります。
しんどい思いもするでしょう。

それで「どうせ私は治らない」と、その不健康な安定にとどまろうとしてしまいます。
その方が今までどおりなので、ラクですからね。

でも、身体は正直です。「このままではだめだ」ということを、繰り返し知らせてくれます。
拒食症・過食症ということだけでなく、吐きダコができたり、貧血になったりと、命の危険を知らせます。

回復したいと思うのなら、今の不健康な「安定」に見切りをつける必要があります。

変化するときには一時的にストレスを感じるものですが、今のストレスに比べればほんの短い間の、先が見えたストレスです。

乗り越えることで必ず達成感が得られますし、その先には、口癖になっていた『普通のわたし』になれるのです。

この時に勘違いしてほしくないのは、意志の強さ・弱さではありません。

今の不健康な「安定」に逃げ込まず、健康な、本当の意味での安定に向かう勇気を持つことです。

摂食障害を例に書ましたが、自傷行為・アルコール依存も上記と同じです。

『今のわたし』と違う自分になろうとする、その勇気を大切にして下さい。